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内製化 / 公開 2026-09-01

社内DXの進め方と事例|現場で使われ続ける条件

執筆・編集:株式会社DataEgg
#社内DX#DX推進#業務改善
社内DXの進め方と事例|現場で使われ続ける条件

社内DXとは、経理や人事、情報共有といった社内の業務を、デジタルを前提とした形へ組み替える取り組みです。この記事では、社内DXが「ツールを入れて終わり」になりやすい理由から、進め方の4ステップまでを解説します。あわせて、実際に現場で使われ続けた事例と、定着しない場合の原因も取り上げます。何から着手すべきか迷っている中小企業の経営者や推進担当の方に向けた内容です。

社内DXとは何か

社内DXとは、社内で日々行われている業務の進め方そのものを、デジタルを前提として作り直す取り組みを指します。紙をデータに置き換えるだけの作業とは区別されます。

顧客向けのサービスをデジタル化する取り組みと比べると、成果が見えにくい性質があります。売上に直接つながらないため、後回しになりやすい領域でもあります。

一方で、社内DXが進まないと、人手が増えないまま業務量だけが増える状況になります。少人数で運営する会社ほど、影響は早く表れます。

この記事では、社内業務をどう変えるかという実務側に絞って解説します。現場心理を含む導入全体はシステム導入が現場で使われない理由も参考にしてください。

社内DXの進め方4ステップ

進め方の基本は、範囲を絞って確かめながら広げることです。全社一斉に変えると、問題が起きたときに原因を特定できなくなります。

ステップ1 業務を棚卸しする

誰が何を何回やっているかを書き出します。頻度、所要時間、情報の受け渡し先の3つが分かると、優先順位をつけられます。

この段階で、そもそもやめられる業務が見つかることもあります。デジタル化する前に、なくせないかを確認する価値があります。詳しい手順は業務棚卸で解説しています。

ステップ2 着手する業務を1つ選ぶ

頻度が高く、複数人が関わり、間違いの影響が大きい業務を選びます。この3つが揃う業務は、改善したときの効果が最も分かりやすくなります。

逆に、月に1度しか起きない業務や、担当者一人で完結する業務は後回しで構いません。変更の説明にかかる手間が、得られる効果を上回りやすいためです。

ステップ3 現場の手順に合わせて作る

ここが社内DXの成否を分ける段階です。新しい手順を覚えてもらう前提で作ると、現場は元のやり方に戻ります。

普段やっている順序をそのまま画面の並びにする、すでに毎日開いている場所に置く、といった配慮が定着を左右します。機能の多さより、迷わず使えるかどうかが重要になります。

ステップ4 定着を確認してから次へ

手応えが出たら次の業務に移ります。定着したかどうかは、古いやり方が併用されていないかで判断できます。

併用が続いている場合、新しい仕組みのどこかに使いにくさが残っています。範囲を広げる前に、そこを直す方が結果的に早く進みます。

事例:現場で使われ続けた仕組み

社内DXの事例として、筆者自身の経験を紹介します。

プログラミング教室の運営に携わっていたとき、感染症の影響で教室を閉じることになりました。授業を止めるわけにはいかず、1週間で授業の仕組み全体をオンラインへ移す必要がありました。

このとき意識したのは、使う相手が子どもだという点です。操作説明を読んでから使う形にすると、そもそも始まりません。そこで、ゲームのような画面設計にして、説明なしで自発的に進められる形にしました。

あわせて、保護者向けの報告も見直しました。講師が別途レポートを書くのではなく、授業のなかで記録された内容が、そのまま学習の進捗として保護者に届くようにしました。報告のための作業を新しく増やさない設計です。

環境が用意できない家庭には、必要な環境を入れたUSBを郵送するという方法をとりました。理想的な解決策ではありませんが、その時点で全員が授業を受けられる状態を優先しました。

この経験から言えるのは、社内DXで問われるのは技術の新しさではなく、使う人の状況に合わせられるかどうかだという点です。

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社内DXが定着しない原因

導入したものが使われなくなる場合、原因はいくつかの型に分かれます。

ひとつは、記録のための作業が増えている場合です。業務が楽にならず、入力の手間だけが乗ると、現場は続けません。記録は業務の流れのなかで残るようにする必要があります。

もうひとつは、作った本人しか分からない状態になっている場合です。担当者が代わった時点で誰も触れなくなり、次第に使われなくなります。

そして、効果が誰にも見えていない場合です。楽になった実感が共有されないと、協力する理由がなくなります。

これらの背景にある構造については、業務の仕組み化で扱う属人化の観点とあわせて考えると整理しやすくなります。

社内DXで最初に選ばれやすい業務

着手する業務を選ぶとき、実務でよく候補に挙がるのは次の領域です。いずれも頻度が高く、複数人が関わる特徴があります。

申請と承認

経費、休暇、稟議といった申請は、紙やメールで回っていることが少なくありません。誰が今持っているか分からない、承認が止まっていることに気づけないといった問題が起きやすい領域です。

流れを1つの場所に集めると、滞留がすぐ見えるようになります。効果が分かりやすく、最初の1つとして選ばれやすい業務です。

情報共有と引き継ぎ

社内の連絡が個人宛のメールや個別のやり取りで完結していると、担当が不在のときに止まります。共有の場所を決めるだけでも、確認のための問い合わせは減ります。

この領域は費用をかけずに始められる反面、ルールを決めないと元に戻りやすい特徴もあります。

記録が残らない業務

対応した内容が担当者の記憶にしか残らない業務は、優先度が高い領域です。件数が増えるほど、同じ確認を繰り返すことになります。

記録を残す作業を別に増やすのではなく、業務の流れのなかで残る形にすることが定着の条件になります。

進めるときの体制

社内DXは、担当者を1人決めれば進むものではありません。少なくとも次の3つの役割が必要になります。

  • 業務の変更を最終的に決める人
  • 現場に説明し、定着を見届ける人
  • 仕組みを実際に手直しできる人

3つ目が社内にいない場合は外部に依頼することになります。その際も、細かい調整のたびに見積もりを挟む形にすると改善が止まります。どこまでを自社で触れる状態にしておくかは、内製化とはの考え方が判断材料になります。

よくあるご質問

Q. 社内DXとは何を指しますか 社内の業務そのものをデジタル前提で組み替える取り組みを指します。顧客向けのサービスをデジタル化する取り組みと区別され、経理や人事、情報共有といった内部の業務が対象になります。

Q. 社内DXは何から始めればよいですか 業務の棚卸しから始める方法が確実です。頻度が高く、複数人が関わり、間違いの影響が大きい業務から着手すると、効果が見えやすくなります。

Q. 導入したツールが使われなくなるのはなぜですか 現場の手順と合っていない場合が多くなります。新しい手順を覚える負担が、得られる楽さを上回ると、人は元のやり方に戻ります。既存の動線に沿った設計にすることが定着の条件になります。

まとめ

社内DXは、道具を入れることではなく、業務の進め方を組み替えることです。棚卸しで現状を把握し、対象を1つ選び、現場の手順に合わせて作り、定着を確かめてから次へ進む。この順序を守ると、途中で止まりにくくなります。

そして定着を左右するのは、機能の充実度より「説明なしで使えるか」です。新しい手順を覚えてもらう前提の設計は、現場の負担になりやすく、元のやり方に戻る原因になります。

社内業務を、回すだけで情報が残る仕組みへ変えるご相談はシクミAIへ。「どの業務から着手すべきか」の整理からで大丈夫です。まずは無料相談から、優先順位を一緒に決めましょう。

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