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内製化 / 2026-07-10

物件確認電話(物確)の負担を減らす方法と自動応答の選択肢

#物件確認#業務効率化#不動産DX#内製化
物件確認電話(物確)の負担を減らす方法と自動応答の選択肢

紹介したい物件がまだ空いているか、元付けの会社に電話で確認する。この物件確認、いわゆるぶっかくの電話に、毎日追われている方は多いはずです。この記事は2種類の読者を想定しています。ひとつは、1日に何十件も物確の電話を受けて業務が止まってしまう元付け・管理会社の方。もうひとつは、物件確認のかけ方やマナーをこれから覚えたい客付けの新人の方です。前半でかける側の基本を押さえ、後半で受ける側の負担をどう減らすかを扱います。物確の自動応答サービスの特徴も紹介しますが、それが対症療法にとどまる理由と、電話そのものを減らす根本の考え方まで踏み込みます。

物件確認(物確)はなぜ無くならないのか

物件確認がいつまでも無くならないのは、空室状況が不動産会社のあいだでリアルタイムに共有されていないからです。物確とは、客付けの仲介会社が、紹介しようとしている物件がまだ空いているか、そして紹介してよいかを、元付けの会社や管理会社に確認する業務を指します。読み方は「ぶっかく」で、電話・メール・FAXのいずれかで行うのが一般的です。

そもそもなぜ確認が要るのかというと、物件が空いているかどうかの最新情報が、業者間で自動的に同期される仕組みになっていないためです。ポータルサイトや業者間流通の情報は、実際の空室状況より更新が遅れることがあります。昨日まで募集中だった部屋が今朝には申し込みで埋まっている、といったことは珍しくありません。この時間差を埋めるために、客付けは念のため電話で最新の状況を直接聞きにいくわけです。

もう少し踏み込むと、物確が生まれる背景には役割の分担もあります。物件を預かって募集をかける元付けと、お客様を連れてくる客付けが分かれているため、空室の最新状況は元付け側にしか正確には分かりません。客付けは自社では確かめようがないので、元付けに問い合わせるしかない、という構図です。この分担がある限り、確認という行為そのものは無くなりにくいのが実情です。

つまり物確は、情報が古いかもしれないという前提と、状況を握っている会社が別だという前提の、二つがあるから発生します。ここを押さえておくと、後半で扱う「電話を減らす」話が、単なる効率化ではなく情報の鮮度と共有の問題だと見えてきます。

かける側の基本:新人が押さえるべき手順とマナー

物件確認の電話は、聞くことを先にまとめてから一度でかけきるのが基本です。確認漏れがあると同じ相手にかけ直すことになり、自分の時間も相手の時間も余計に奪ってしまいます。新人のうちは、次の3つを意識すると失敗が減ります。

1. 確認する項目を先に決めておく

最低限、その物件が今も募集中か、そして客付けとして紹介してよいかを確認します。あわせて、賃料や初期費用に変更がないか、内見の方法や鍵の受け渡し、入居可能な時期なども必要に応じて聞きます。物件名と部屋番号、どこの会社のどの物件を聞きたいのかを手元にそろえてから受話器を取ると、会話がスムーズです。

2. かける時間帯に配慮する

相手も同じ不動産会社です。昼休みにあたる12時から13時、始業直後や終業間際は、電話が集中したり手が離せなかったりしがちなので避けるのが無難です。比較的つながりやすいのは午前10時前後や午後の早い時間帯とされます。相手の営業が立て込む時間を外すだけで、対応の質も変わってきます。

3. メールでの物確も選択肢に入れる

急ぎでなければ、メールでの物確も広がっています。相手の営業時間や電話中かどうかを気にせず送れて、受け手も手が空いたときに返信できます。電話のように即答は得られませんが、記録が残るので言った言わないが起きにくい利点もあります。複数の物件をまとめて確認したいときも、電話で一件ずつ聞くより、メールに箇条書きで並べたほうが漏れが出にくくなります。急ぎで今すぐ紹介したい一件は電話、まとめて確認したいものはメール、というように使い分けると、自分も相手も負担が軽くなります。相手が受け取りやすい手段に合わせる姿勢は、日々やり取りする間柄では信頼にもつながります。

受ける側の負担:同じ質問が営業を止める

受ける側にとって物確の電話がつらいのは、件数の多さと内容の単調さが、集中を要する本来の業務を細切れに中断させるからです。人気の物件を多く抱える元付けや管理会社では、1日に数十件の物確が入ることも珍しくありません。

問題は件数だけではありません。かかってくる電話の多くが、空いていますか、紹介していいですか、という同じ質問の繰り返しです。一件あたりの対応は短くても、接客中や書類作成中に何度も鳴れば、そのたびに手を止めて頭を切り替えることになります。この中断のコストは、実際に電話に出ている時間より大きいものです。集中していた作業に戻るまでの立ち上げ直しが、積み重なると相当な時間の損失になります。

さらに、担当者しか空室状況を把握していないと、その人が不在のときに電話が滞留します。誰が受けても答えられない状態は、負担が特定の人に偏る原因にもなります。折り返しが増えれば、かけた客付け側も待たされ、機会損失につながりかねません。加えて、繁忙期には物確の電話が本来対応すべき入居希望のお客様からの電話とぶつかり、どちらも取りこぼしやすくなります。受ける側の負担は、単に「電話が多い」ではなく、「同じ問い合わせが、答えられる人の集中を奪い続ける」という構造の問題です。この構造を理解すると、次に紹介する自動応答が何を肩代わりしてくれるのかも整理しやすくなります。

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自動応答サービスという選択肢

受ける側の負担を直接減らす手段として、物確の自動応答サービスがあります。かかってきた電話に自動音声が応対し、空室状況などを返す仕組みで、担当者が毎回出なくてよくなる点が特徴です。サービスはいくつかのタイプに分かれるため、タイプごとの特徴を押さえておくと比較の見当がつけやすくなります。個別のサービスの料金や機能は、最新の公式情報で確認してください。

1. 賃貸向けの物確専用サービス

物確の電話に自動音声で応答することに特化したタイプです。ダイヤル操作や音声認識で物件を特定し、空室状況のほか、内見方法や鍵の暗証番号の案内、図面の自動送信まで対応するものもあります。賃貸の物確が集中する管理会社・元付け会社に向いています。

2. 売買の業者間問い合わせに特化したタイプ

売買特有の確認業務に寄せたタイプもあります。物件情報からQRコードを生成して販売図面に載せ、読み取った側がその場で物件確認や広告掲載の可否を確認できる、といった仕組みです。電話の応対そのものをなくす方向の設計で、賃貸向けが多い自動応答の中では毛色が異なります。

3. 管理システム・ポータルに付随するタイプ

普段使っている賃貸管理システムや不動産ポータルのオプションとして提供される自動応答もあります。Web上での空室確認機能をあわせ持つものもあります。すでに使っている業務システムと連携できるか、自社が普段どのプラットフォームで物件を管理しているかが比較の観点になります。別々のツールを増やすと、かえって空室情報の反映先が分散して手間が増えることもあるため、いま使っているものとの相性を先に見るのが現実的です。

導入を検討するときは、口コミや評判を鵜呑みにせず、自社の物件データとどうつながるか、応答内容を誰がどう最新に保つかまで確認するのが大切です。自動応答は、元になる空室情報が正しく更新されていて初めて役に立ちます。

根本解決は空室情報を一元化すること

自動応答は電話対応の負担を軽くしますが、あくまで対症療法です。本丸は、物件マスタが常に最新に保たれ、業者間で空室状況をその場で確認できる状態を作ることにあります。ここができれば、そもそも電話で聞く必要が薄れていきます。

自動応答は「かかってきた電話にどう答えるか」を効率化する仕組みで、電話がかかってくること自体は前提にしています。応答の元になる空室情報が古ければ、間違った案内を自動でしてしまう危険すらあります。だからこそ、最新の空室状況が一箇所に集約され、そこを見れば分かる仕組みのほうが、電話の総量を減らす効果は大きくなります。

とはいえ、物件マスタを常に最新に保つのは簡単ではありません。申し込みが入った、埋まった、という情報を、担当者が忙しさの中でこまめに反映してくれるとは限らないからです。筆者は現在、ある不動産会社に業務効率化のツールを構築して4年以上、継続して支援しています。集客の改善から始まった関わりでしたが、行き着いたのは、顧客や物件の情報が自然と溜まっていく仕組みづくりでした。人に入力を強いるほど情報は溜まらず、業務の流れの中で気づけば最新になっている設計にすると、初めてデータが生きたものになります。

たとえば、申し込みを受け付ける画面と物件マスタが同じ場所でつながっていれば、申し込みを登録した瞬間にその部屋が募集中から外れる、といった形が作れます。担当者が別途「マスタも直しておく」という二度手間を踏まなくてよいので、忙しくても情報が古くなりません。空室情報の一元化も同じで、更新を義務として課すのではなく、日々の業務を回すと自然にマスタが最新になる形をどう作るかが鍵になります。どの管理システムを選ぶかは賃貸管理システムの比較と選び方で整理していますし、業者間の情報流通の土台であるレインズの仕組みはレインズとは何かで扱っています。あわせて読むと、物確を減らす道筋が見えてきます。

まとめ:電話を上手に減らす二段構え

物件確認の負担は、かける側と受ける側でアプローチが分かれます。この記事の要点を整理します。

  • 物確が無くならないのは、空室状況が業者間でリアルタイムに共有されていないから
  • かける側は、確認項目を先にまとめ、時間帯に配慮し、急ぎでなければメールも使うと失敗が減る
  • 受ける側の負担は、同じ質問の繰り返しが集中を奪う中断コストにある
  • 自動応答サービスは負担を軽くするが、元の空室情報が最新であって初めて機能する対症療法
  • 根本解決は、物件マスタが自然と最新に保たれ、空室情報を自分で確認できる状態を作ること

まずは自動応答で目の前の電話を捌きつつ、並行して空室情報が最新に保たれる仕組みを整える。この二段構えが現実的です。

DataEggでは、不動産会社の業務に合わせて小さくシステムを作り、月額で伴走するシクミAIを提供しています。物件情報が、担当者に入力を強いることなく自然と最新に保たれる形をどう作るか、いま一番手間になっている1工程から一緒に考えます。不動産会社向けの支援内容は不動産向けの案内ページにまとめていますので、あわせてご覧ください。

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