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2026-04-12内製化

ECRSとは?業務改善フレームワークの使い方を解説

#ECRS#業務改善#業務効率化
ECRSとは?業務改善フレームワークの使い方を解説

「業務改善をしたいが、何から手をつければいいかわからない」。そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。

業務改善にはさまざまなアプローチがあります。しかし、現場で使いやすく、すぐに効果が出る方法となると選択肢は限られます。そこでおすすめしたいのがECRSの原則です。

ECRSは、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換・再配置)、Simplify(簡素化)の頭文字を取った業務改善フレームワークです。製造業の現場で生まれたこの手法は、バックオフィス業務やIT業務にも幅広く応用できます。

本記事では、ECRSの原則の基本から具体的な活用例、他のフレームワークとの組み合わせ方まで解説します。業務改善の担当者やマネージャーの方はぜひ参考にしてください。

ECRSとは

ECRSの原則とは、業務プロセスを4つの視点で見直すフレームワークです。もともとはIE(インダストリアル・エンジニアリング)の分野で生まれました。製造業における工程改善の考え方として、長い歴史があります。

ECRSの特徴は、改善の優先順位が明確な点です。E→C→R→Sの順番で検討することで、効果の大きい改善から着手できます。やみくもに改善策を探すのではなく、体系的に業務を見直せるのがメリットです。

製造業だけでなく、営業事務や経理、人事、情報システムなど、あらゆる業務に適用できます。特別なツールや知識がなくても始められるため、中小企業の業務改善にも向いています。

ECRSの4つのステップ

ECRSは4つのステップで構成されています。それぞれの視点と、具体的な問いかけを見ていきましょう。

E(Eliminate:排除)— そもそもやめられないか

最初のステップは「排除」です。その業務をそもそもやめられないかを検討します。

改善というと「もっと効率よくやる方法」を探しがちです。しかし、最も効果が大きいのは「やらないこと」です。不要な業務をなくせば、改善のための工数すらかかりません。

たとえば、以下のような業務が排除の対象になります。

  • 誰も読んでいない報告書の作成
  • 慣例で続けているだけの定例会議
  • 重複しているチェック作業
  • 形骸化した承認プロセス

「昔からやっているから」という理由だけで続いている業務は、意外と多いものです。まずは「この業務をやめたら何が困るか」と問いかけてみましょう。困る人がいなければ、排除の候補です。

C(Combine:結合)— まとめられないか

次のステップは「結合」です。別々に行っている業務をまとめられないかを検討します。

結合の視点では、以下のような改善が考えられます。

  • 複数の会議を1つにまとめる
  • 別々のシステムに入力している情報を一元化する
  • 異なる部署が個別に行っている作業を統合する
  • 類似した承認フローを1つに統一する

業務が分散していると、引き継ぎや確認のための「つなぎ作業」が発生します。結合によってこの無駄を減らせます。

R(Rearrange:交換・再配置)— 順序や担当を変えられないか

3番目のステップは「交換・再配置」です。業務の順序や担当者、場所を入れ替えることで効率化できないかを検討します。

たとえば、以下のような改善が該当します。

  • 作業の順番を変えて待ち時間を減らす
  • 担当者を変えてスキルのミスマッチを解消する
  • 上流工程でチェックを入れて手戻りを防ぐ
  • データの入力タイミングを変えて二重入力をなくす

業務そのものは変えずに、やり方や順序を変えるだけで大きな効果が出ることがあります。特に、部門間をまたぐ業務フローでは、順序の見直しが有効です。

S(Simplify:簡素化)— もっと簡単にできないか

最後のステップは「簡素化」です。業務の内容そのものをもっとシンプルにできないかを検討します。

簡素化の具体例としては、以下のようなものがあります。

  • 複雑な入力フォームを項目を絞ってシンプルにする
  • マニュアルを図解中心にして理解しやすくする
  • テンプレートを用意して毎回ゼロから作成する手間を省く
  • ツールを導入して手作業を自動化する

簡素化はECRSの最後のステップですが、多くの人が最初にここから始めてしまいます。しかし、排除や結合で解決できる課題に対して簡素化を行っても、効果は限定的です。だからこそ、E→C→R→Sの順序が重要なのです。

ECRSの具体的な活用例

ここでは、筆者の実務経験からECRSの活用例を紹介します。

イベント情報収集のマクロ自動化(E→Cの例)

筆者がITコンサルとして大手不動産会社の入居者管理に関わった際のケースです。当時、担当者が毎週手動で複数サイトからイベント情報を収集していました。1回あたり2〜3時間かかる作業です。

この業務にECRSを適用しました。まず「E(排除)」の視点で考えると、手動での情報収集作業そのものをなくせないかという発想になります。結果として、マクロで情報収集を自動化しました。手動作業を排除し、週あたり2〜3時間の工数が削減されました。

さらに「C(結合)」の視点で、収集した情報の整理・加工も自動化に含めました。収集と加工を別々に行っていた作業を1つのプロセスにまとめたのです。

このように、ECRSの視点を順番に適用することで、段階的に改善を進められます。

DM手配システムの構築(Sの例)

筆者が営業代行会社でDM手配システムを構築した際は、「S(簡素化)」の視点が効果的でした。

もともとDMの発注・在庫管理のフローが複雑で、担当者しか把握していない状態でした。属人化が進んでおり、その担当者が不在のときは業務が止まるリスクがありました。

そこで、複雑だったフローをシンプルな仕組みに置き換えました。誰でも使えるシステムにしたことで、担当者が退職した後も使われ続けるシステムになりました。

簡素化のポイントは「誰でも使える」状態にすることです。高機能なシステムを作ることではありません。シンプルであるほど、仕組みとして定着しやすくなります。

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ECRS活用のポイントと注意点

ECRSを効果的に使うために、押さえておきたいポイントがあります。

E→C→R→Sの順序が重要な理由

ECRSの原則では、E→C→R→Sの順番で検討することが推奨されています。この順序には明確な理由があります。

改善効果は、一般的にE(排除)が最も大きく、S(簡素化)に近づくほど小さくなります。排除は業務そのものをなくすため、インパクトが大きいのです。一方、簡素化は既存の業務を前提とした改善のため、効果の範囲が限定されます。

筆者の経験でも、最も効果が大きかったのは「E(排除)」のステップでした。営業代行会社で業務改善に取り組んだ際、最初にEの視点で「そもそもやらなくていい業務」を特定しました。その結果、全体の工数が大きく削減できたのです。

改善は「やめること」から始めるのが原則です。いきなり効率化やツール導入に走るのではなく、まず「この業務は本当に要るのか」を問いかけてみてください。

よくある失敗パターン

ECRSを活用する際に、注意すべき点もあります。

1つ目は、いきなり「S(簡素化)」から始めてしまうパターンです。ツール導入や自動化は目に見えやすい改善のため、つい最初に手をつけたくなります。しかし、不要な業務を自動化しても意味がありません。

2つ目は、現場の声を聞かずに進めるパターンです。ECRSはあくまでフレームワークです。実際の業務の背景や例外処理は、現場の担当者にしかわかりません。机上の分析だけで改善策を決めると、現場に受け入れられない結果になりがちです。

3つ目は、一度にすべてを変えようとするパターンです。小さな改善から始めて成果を出し、そこから範囲を広げていくほうが定着しやすくなります。

ECRSと他のフレームワークの組み合わせ

ECRSは単独でも使えますが、他のフレームワークと組み合わせるとさらに効果的です。

SIPOC → ECRSの流れ

おすすめの組み合わせが、SIPOC分析との連携です。

SIPOCは、業務プロセスの全体像を把握するためのフレームワークです。Supplier(供給者)、Input(入力)、Process(プロセス)、Output(出力)、Customer(顧客)の5つの要素で業務を整理します。

まずSIPOCで業務の全体像を可視化し、その後にECRSで改善ポイントを特定する。この流れで進めると、抜け漏れなく改善を進められます。

具体的には、以下のステップで進めます。

  1. SIPOCで対象業務の全体像を整理する
  2. プロセスの各ステップに対してECRSの視点で検討する
  3. 改善効果の大きいものから優先的に実行する

このように、分析フレームワークと改善フレームワークを組み合わせることで、体系的な業務改善が可能になります。

業務の仕組み化との連携

ECRSで業務を改善した後は、その改善結果を仕組みとして定着させることが重要です。せっかく改善しても、元のやり方に戻ってしまっては意味がありません。

改善した業務フローをドキュメント化し、ツールやテンプレートで仕組み化する。ここまでやって初めて、業務改善は完了します。

まとめ

ECRSの原則は、業務改善を体系的に進めるためのフレームワークです。E(排除)→C(結合)→R(交換・再配置)→S(簡素化)の順番で検討することで、効果の大きい改善から着手できます。

ポイントは以下の3つです。

  • まず「やめられないか」を考える(排除が最も効果が大きい)
  • E→C→R→Sの順序を守る
  • 改善した業務を仕組みとして定着させる

ECRSは特別なツールや知識がなくても始められます。まずは身近な業務を1つ選び、ECRSの4つの視点で見直してみてください。

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