現場で使われていないシステムに対し、「ここまで費用をかけたから」「あと一機能あれば使われる」と追加改修を続けることがあります。その間も旧Excelとの二重運用や保守費用が残ります。
過去の投資を無駄にしたくない気持ちは自然です。しかし、過去に使った費用と、これから続ける価値は分けて判断する必要があります。
過去の費用は将来の便益を保証しない
今後の判断で比較するのは次です。
継続した場合に、これから得られる便益
− 継続に、これから必要な費用・時間・リスク
すでに支払った開発費や、担当者が費やした時間は、どちらを選んでも戻らない場合があります。それでも意思決定では「無駄だったと認めたくない」という感情が入ります。
自分で決めた案件ほど追加投資しやすい
Stawはビジネス投資を模した実験で、悪い結果が出た場合でも、当初の意思決定に自分が責任を持つ条件では追加資源の投入が大きくなる傾向を示しました。Knee-deep in the Big Muddy
これはコミットメントのエスカレーションとして知られます。システム導入でも次の力が働きます。
- 自分の判断ミスだと思われたくない
- 経営へ失敗を説明しにくい
- 現場へ協力を求めた手前、撤回しにくい
- 契約や社内体制を作り直すのが大変
- 成功するまで続ければ失敗ではないと感じる
追加改修が妥当な場合もある
撤退だけが正解ではありません。次が明確なら改修に価値があります。
- 使われない原因が特定できている
- 改修後に変わる行動を説明できる
- 影響を受ける利用者が検証へ参加する
- 小さい範囲で効果を確認できる
- 期限と追加予算の上限がある
- 改修しても改善しない場合の停止条件がある
「機能不足だと思う」だけでは追加投資の根拠になりません。




