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内製化 / 2026-07-10

家賃管理表・物件管理をエクセルで作る方法と脱エクセルの時期

#家賃管理#物件管理#エクセル#不動産
家賃管理表・物件管理をエクセルで作る方法と脱エクセルの時期

家賃管理や物件管理をエクセルで回していて、作り方がこれで合っているのか、そろそろシステムに変えるべきなのか迷っていませんか。この記事は、管理戸数がまだ多くない大家さんや小規模の管理会社の方に向けて、家賃管理表・物件管理表・入居者管理をエクセルで作る具体的な方法を解説します。必要な列の決め方、物件情報と契約情報の分け方、無料テンプレートを使うときの注意、そして崩れない運用ルールまで順に整理します。結論から言うと、戸数が少ないうちのエクセル管理は正しい選択です。大事なのは、後で破綻しない作り方を最初に押さえておくことです。なお顧客・追客の管理は別の設計になるため、そこは不動産の顧客管理エクセルの限界で扱います。

家賃管理表をエクセルで作る

まず家賃管理表は、毎月の入金を1枚で追える形にすることが目的です。凝ったレイアウトより、未入金の人がすぐ分かる素朴な表のほうが実務では長続きします。家賃管理をエクセルで作るとき、最低限そろえたい列は次の6つです。

物件名・部屋番号

どの物件のどの部屋か、を特定する列です。物件名と部屋番号は別の列に分けておくと、後で物件ごとに絞り込んだり、部屋順に並べ替えたりが効きます。ここを1つのセルにまとめてしまうと、集計のたびに手作業が増えます。

契約者名

その部屋の入居者、つまり家賃を払う人の名前です。契約者と物件が1行でひも付いていれば、誰の入金がまだかが一目で分かります。

賃料・共益費

毎月受け取る金額です。賃料と共益費、必要なら駐車場代を列で分けておくと、合計額のずれに気づきやすくなります。金額はセルに数式で合計を出しておくと、手計算の間違いが減ります。

入金予定日と入金状況

いつ入る予定で、実際に入ったかを記録する列です。月ごとに「入金済/未入金」を選べるようにしておくと、月末に未入金だけを絞り込めます。ここが家賃管理表の心臓部です。

滞納状況・督促の記録

未入金がそのまま残ったときのために、滞納状況と督促の記録を持たせておくと安心です。何月分が未納か、いつ督促の連絡をしたか、を残しておくと、対応の抜けや二度手間を防げます。滞納が長引いたときも、これまでの経緯がその行から追えるので、貸主や保証会社とのやり取りがしやすくなります。督促は感情的になりやすい場面なので、事実の記録が1か所にある状態は現場を助けます。

この表を毎月どう回すかというと、入金を確認したらその月の入金状況を「済」に変えていく、いわゆる消し込みの作業になります。月初に全員を「未入金」にしておき、通帳やネットバンキングと突き合わせて済に変えていけば、月末に残った未入金がそのまま督促リストになります。エクセルの色分けやフィルタで未入金だけを表示できるようにしておくと、この確認が数分で終わります。毎月シートを新しく増やすやり方もありますが、月の列を横に足していく形のほうが、後で滞納の傾向を見返すときに楽です。

物件管理表・入居者管理エクセルの項目設計

物件管理表と入居者管理をエクセルで作るときの肝は、変わらない情報と変わる情報を分けることです。ここを混ぜると、更新のたびに表が壊れていきます。おすすめは、物件そのものの台帳(物件マスタ)と、誰がいつからいつまで借りているかの契約情報を、別の表として持つ考え方です。

物件マスタに載せるのは、めったに変わらない情報です。物件名、住所、部屋番号、間取り、面積、オーナー名などが当たります。一度登録すれば、入居者が入れ替わっても中身はほとんど変わりません。物件管理表はこの安定した情報の置き場だと考えると、設計がぶれません。

一方、入居者管理エクセルや契約情報の側に載せるのは、人が入れ替わるたびに変わる情報です。契約者名、契約日、契約期間、更新月、家賃、敷金・礼金、連絡先などが当たります。同じ部屋でも入居者が変われば、この情報は丸ごと入れ替わります。

この2つを分けておく利点は、更新の手間とミスが減ることです。たとえば入居者が退去して次の人が入るとき、物件マスタはそのままで、契約情報だけを差し替えれば済みます。もし物件情報と入居者情報を1つの表に混ぜていると、退去のたびに住所や間取りまで打ち直す羽目になり、そこから写し間違いが生まれます。部屋番号のような共通の列を両方に持たせておけば、必要なときに突き合わせられます。規模が小さいうちは、1つのファイルの中でシートを「物件マスタ」「契約情報」と分ける程度で十分です。

入居者管理の視点では、契約情報の側に更新月を持たせておくのが効きます。更新月でフィルタをかければ、来月更新を迎える契約だけを一覧にでき、更新案内の準備が前もって進められます。更新の時期を担当者の記憶やカレンダーのメモに頼っていると、担当が変わった瞬間に抜けが出ます。物件管理表と入居者管理を分けたうえで、更新月のような「先を見る列」を1つ足しておくと、エクセルでも先回りの管理ができます。

無料テンプレートの探し方と使うときの注意

家賃管理表のエクセル無料テンプレートは、ゼロから作るより早く始められる良い出発点です。探すときは、賃貸管理ソフトの会社や不動産系のサイトが配布しているものが、実務に近い項目でまとまっていて使いやすい傾向があります。表計算ソフトのテンプレート集にも、家賃台帳や物件管理表の形式が用意されています。まずいくつか落として、自社の管理に近いものを選ぶとよいです。

ただし、テンプレートをそのまま使うときは、いくつか気をつけたい点があります。

自社の運用に合わせて列を直す前提で選ぶ

配布されているテンプレートは、多くの人に合うよう一般的な項目で作られています。そのため、自社にしかない項目が足りなかったり、逆に使わない列が並んでいたりします。そのまま埋めようとせず、要らない列は消し、足りない列は足す前提で選んでください。テンプレートは完成品ではなく、たたき台だと考えるのが実用的です。

中身の分かる範囲のものを使う

関数やマクロが凝ったテンプレートは便利に見えますが、どこがどう計算されているか分からないまま使うと、少し直したいときに表を壊してしまいます。自分で意味を追える範囲の作りのものを選ぶほうが、後々安全です。集計欄に数式が入っている場合は、その数式が参照している範囲を把握してから列を増減させましょう。

配布元と更新のしやすさを確かめる

ダウンロードしたきりで更新されないテンプレートだと、途中で使いにくさに気づいても直せません。自社で列を編集できる形式か、配布元がどういう会社かを軽く確認しておくと、安心して使い続けられます。

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崩れないエクセル運用のルール

エクセルでの家賃・物件管理が崩れるかどうかは、表の出来より運用のルールで決まります。同じ表でも、使い方を決めていないと数か月でぐちゃぐちゃになります。長く使うために、次の4つを最初に決めておくことをおすすめします。

更新担当を1人決める

誰が入金状況や契約情報を更新するのかを、1人に決めます。複数人が思い思いに直すと、上書きや入力のばらつきが起きます。入力は担当を絞り、他の人は見るだけ、という役割にしておくと、表が荒れにくくなります。

月次で締める日を決める

毎月何日に入金を確認して締めるか、を決めておきます。締め日を決めずにいると、確認が後回しになり、督促のタイミングを逃します。月末や翌月初めに「未入金を確認して督促する」という手順を固定してしまうと、抜けが減ります。

ファイルをむやみに増やさない

「家賃管理_最新」「家賃管理_最新2」のようにファイルが増えるのが、崩壊のいちばんの入り口です。原本は1つと決め、コピーを配らないようにします。同じ情報が複数のファイルに分かれて食い違う状態は、二重管理そのものです。共有が必要なら、クラウド上の1ファイルを全員で見る形にすると増殖を防げます。

表記のルールをそろえる

入金状況や物件名の書き方を、人によってばらつかせないことです。入力規則のドロップダウンで「済/未」などの選択肢を固定しておくと、表記が勝手にそろい、後で絞り込みや集計ができます。自由入力を減らすほど、データはきれいなまま溜まります。

この4つを守れているなら、慌ててシステムを入れる必要はありません。エクセルのまま十分に戦えます。

脱エクセルを考えるタイミング

エクセルをやめる判断は、管理戸数の数字だけでは決まりません。破綻の兆候が出ているかで見るほうが実態に合います。一般的には管理50戸・担当2名あたりを超えるとエクセル管理が重くなるとされますが、これはあくまで目安で、運用のやり方によって前後します。

次のようなサインが複数当てはまるなら、システム化を具体的に検討する段階です。まず、どのファイルが最新版か分からなくなっている。次に、家賃の督促や契約更新の抜けが、実際に一度でも起きた。そして、表を作った本人にしか中身が分からず、その人が休むと誰も触れない。さらに、営業や事務が同じ情報を別の台帳に打ち直している。こうした兆候は、戸数が増えるほど深刻になります。

筆者は以前、大手不動産会社の入居者管理システムの運用を担当し、毎週手作業で集めていたイベント情報の収集をマクロで自動化したことがあります。そのとき最も強く意識したのは、自分以外の人が引き継いだときに、説明なしで使えるかどうかでした。属人化したエクセルは、この観点でいちばん脆い部分です。作った人が抜けた瞬間に止まる仕組みは、規模が大きくなるほどリスクになります。

こうしたサインが出てきたら、次は賃貸管理システムへの移行を検討する段階です。ただし、いきなり製品を比較するのではなく、自社の選定軸を先に決めるほうが失敗しません。移行を考えるべきサインの見極めや、システムのタイプ別の特徴は、賃貸管理システムの比較と選び方で詳しく整理しています。どの汎用システムも自社の業務に合わない場合には、いちばん困っている部分だけを自社の運用に沿って小さく作る道もあります。

まとめ

家賃管理表や物件管理をエクセルで始めるのは、戸数が少ないうちは正しい選択です。家賃管理表は物件名・部屋番号・契約者・賃料・入金予定日・入金状況を列に持たせ、月次の消し込みで未入金を抽出できる形にします。物件管理表と入居者管理エクセルは、変わらない物件マスタと、入れ替わる契約情報を分けて設計するのがコツです。無料テンプレートは自社に合わせて直す前提で選び、更新担当を決める・月次で締める・ファイルを増やさない・表記をそろえる、という運用ルールで崩れを防ぎます。そして、最新版が分からない・抜けが起きた・属人化した、といったサインが複数出たら、脱エクセルを考える時期です。

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